アイ・アム・レジェンド

アイ・アム・レジェンド』は、2007年に公開されたワーナー・ブラザース配給のSF映画です。

内容は、ブロンド女のつくったクソドラッグのせいで廃墟と化したニューヨークを舞台に、元米国陸軍中佐であり科学者のロバート・ネビルが愛犬サムと共にサバイバル生活を送るというもの。ウイルス感染で変異した人々「ダーク・シーカー」を救うために孤独に闘う男の姿が描かれます。

取り敢えず、廃墟と化したニューヨークでの生活描写はよかったです。生活インフラが整いすぎだとか車が綺麗に陳列されすぎだとかつまらない突っ込みを抜きにすれば、店にマネキンを置いて孤独を紛らわせたり空母でゴルフをする描写などがマジでいけてましたわ。

何がよかったって、ダーク・シーカーの生態にあわせた行動をネビルがしていることね。時計のアラームにあわせて独自のルールに沿って行動するネビルの姿に「何かあるの?」とワクワクさせられます。鹿を追って建物にサムがはいった際のスプラッタな予感は緊張感がありました。

そんな訳で、掴みはよかったのですが……。最終的には伏線を放り投げて自爆して終了というオチには絶句です。生き残った人間たちの手に血清を残したことで文字通り「人類を救った伝説の男」として英雄的に死ぬのは、原作である『地球最後の男』の作品コンセプト的にどうかと。

化け物として認識していた彼らは独自のコミュニティを形成する「新人類」であり、自分こそが彼らにとって人々を殺してまわる伝説の怪物(Legend)であることに気付く――という価値観の逆転を描いた作品から、ただのゾンビパニック映画と化してしまいました。

公開前のスクリーンテストで不評だったことから差し替えられた結果だそうですが、本来のエンディングのほうがよかったと思います。まあ製作側もそういう気持ちだったのか、手榴弾の威力がギャグになってましたけど。たぶんですが、公開版エンディングはヤケクソでつくられてます。

総評としては雰囲気映画ですね。日常はどう崩壊していったのか、ダーク・シーカーとはどのような存在だったのか、実のところ殆ど語られないまま終わってしまった印象。廃墟となったニューヨークの景観をたのしむ映画と割り切りましょう。