鬼談百景

『残穢 -住んではいけない部屋-』の原作者・小野不由美が発表したホラー小説『鬼談百景』のうち10話を映像化した作品です。『残穢 』とリンクした作品であり、ミステリー作家である“私”が読者から投稿された怪談話を読んでいるという体裁になっています。

「追い越し」

車を買ったことで深夜に肝試しをするようになった男女のグループがガチの幽霊に遭遇するというお話。車の移動速度に直立不動でついてくる幽霊の雑コラ感がなんだか笑えましてよ。もうちょっと他に映像向けの話はなかったのかしら……。

「影男」

孫の面倒をみていた祖母がガラス戸を叩かれる音で目を覚まし、影のような男に襲われるというもの。ただでさえ大きい音でビックリするのに腕力で押さえ込まれるわ流血するやらでナチュラルに怖い。正体は何だったのか、何が目的だったのかは不明なまま終了。

「尾けてくる」

学校の帰り道で雰囲気が怪しい男に見つめられたことに恐怖を覚えた女子生徒が通りすがりの人に助けを求めたところ、男は自殺者だったことが判明。その男は何故か自宅まで尾けてきて――というお話。尾けられるまで、何をされたわけでもないのに男性をまるで犯罪者のように扱う女子生徒の方に恐怖を覚えましたわ

「一緒に見ていた」

学校で首を吊って自殺した地味系な事務員が先生に粘着するお話。呪うでもなく、先生に構ってもらう為にしつこく存在をアピールしているのが重い女って感じね。先生の言動の限りではヤリ捨てたのかしらん。掘り下げがいまいち足らないと思います。

「赤い女」

噂話を聞いた人に赤い服を着たキチガイ女がつきまとうことから、押し付けあうように噂が感染拡大していくというお話。噂話を持ち出した転校生が笑顔でネタばらしをする辺りが若干サイコ入っていましたわね。赤い女はただでさえ不気味な上に、とにかくアクティブに襲い掛かってくるのでマジでスクリーム。収録されていたなかではいちばん怖かったです。

「空きチャンネル」

主人公の友人が空きチャンネルのラジオを聴いている内に様子がおかしくなり、自殺してしまうまでが描かれた作品。無駄にCGが凝っていましたが、物語的に何の意味があったのかいまいちよくわかりませんでした。

「どこの子」

職員室で残業していたふたりの男性教師が怪奇現象に巻き込まれるお話。追いかけた女の子の風貌から化け物だと判断したときの教師の手のひらの返しっぷりが情けなさ過ぎて泣けます。「こぉんのクソガキィ!」から「すみません! ごめんなさぁい!」と謝りながら逃げるのはどうかと。間宮夫人みたいな顔してますけど、見た目少女なんだからもうちょっと虚勢張るべきだと思いました。

「続きをしよう」

墓場で遊び始めたガキンチョ共が「続きをしよう」という声に誘われるまま怪我をするまで遊び続けるお話。凄まじい効果音と共に子供たちが怪我をするので見ているこっちが痛くてよ。バチがあたって怪我をしているのかと思いきや、帰るために怪我をしていたのが明らかになるというオチの持っていきかたは面白かったですわ。最後に残った子はどんな体験をしたのかしら……。

「どろぼう」

真相は明らかにされないものの、状況や踏み潰されるいちじくなどから堕胎を連想させるお話。主人公と近所のお母さんの会話がなかなかにヒヤリとさせられました。頃合いを見て殺されるんじゃないかと……。しかし、姉ちゃんが可愛い。こんな姉がいて欲しい人生でしたわ。

「密閉」

主人公が自分の身に降りかかった怪異を利用して元彼を殺すお話。スーツケースから獲物を捕食するように引き摺り込む様がさながら貝のようでした。チャラい系ではあるものの殺されなきゃならないほどの悪漢とも思えず、「地獄に堕ちろ」とニヤケ面を晒す主人公の悪辣さのほうが印象に残りました。取りを務めたのがこれだったのが残念。怖いというよりは不快にさせられただけでした。